はじめに:習い事の熱風のなかで、見失いがちな宝物
現代の子育てを取り巻く環境は、目まぐるしく変化しています。早期教育への関心は高まり、スイミング、ピアノ、英語、プログラミング…と、幼い頃から様々な習い事に通わせるご家庭も珍しくありません。「我が子の可能性を広げたい」「将来のために何か武器を」そんな親心から、熱心に情報を集め、送迎に奔走する日々。その一方で、「周りはみんなやっているのに、うちはこれでいいのだろうか」「もっと何かしてあげなければ」という漠然とした不安や焦りを感じている方も少なくないのではないでしょうか。スキルや知識を身につけさせることに一生懸命になるあまり、ふと立ち止まって考えてみたいのです。私たちは、子供たちの人生にとって、本当に、本当に大切なものを見失ってはいないでしょうか。それは、目に見える成果の先にある、子供自身の「心」を豊かに育むこと、すなわち「情緒」の発達を見守り、支えることではないでしょうか。本稿では、この見過ごされがちな「情緒を育む」ことの重要性に光を当て、そのためのヒントを探っていきたいと思います。
心の根っこを育む:なぜ「情緒」が人生の土台となるのか
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